高梨屋朱里

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「と、言いますと?」 聞くと、笑顔で、 「あいつの態度が気に入らな~い」 と言った。 「そ、そうですか」 「昔からなのよ。あいつ、いっつも私の前に現れて、勝ち誇った態度見せ付けてくるんだよ?むかつくっしょ?」 「ああ……うん……そうね」 「やってらんないよ。あぁ~……、くそ、あいつの顔思い出したらムカついてきた……」 と、そこに、 「蜜谷香寺」 「あぁん?」 「カモン、ベイベー」 小さなマットを手に付けて、両手を前に出す鷲が横から入ってきた。そして、僕は二人の間の後ろに下がり、 「レディ、ファイっ!」 なんて言ったりする。 「シュッ!シュッ!」 バスン!バスン! 蜜谷香寺さんの拳がマットに当たる。 「う~ん、いいパンチだ」 蜜谷香寺さんの拳はジャブへと変わり、蹴りも入る。……って、見えそう! 「くたばれぇぇぇぇぇぇ!!」 身体を捻り、そして、 「竜巻旋○脚!」 はい、色々と危ないですね。 それが終わると、蜜谷香寺さんは距離を取って、 「波○拳!」 「出るの!?」 思わずツッコンでしまった。 「ふぅ」 腕で額を拭って、蜜谷香寺さんは鷲に言う。 「ありがと、神奈君。おかげでスッキリしたよ」 「い、いや、これぐらい……お安いごようだ……」 痛がる鷲。きっとマットを外したら、手は真っ赤になってるに違いない。 「結論から言わせてもらうとね、鳥羽君」 「うん?」 「高梨屋朱里には関わらない事。いいね?」 いや、関わらない事って、昨日あんな事があったからもう関わりたくないんですけど……。 「う、うん。分かった……」 そして、蜜谷香寺さんとの会話が終わった瞬間、チャイムが鳴って担任、山田先生が入ってきてHRが始まった。
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