ANIMAL

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レジスタンス『ANIMAL』は能力売買廃止を提言し、直接的に行動を起こす、属にいう過激派だ。 聞こえが悪いのは彼等も承知の上だ。しかし、そうでもしなければ廃止など実現しないのだ。 いや廃止は実現しないだろう。 実現するのは破壊だけ‥‥‥。 能力売買に使用する機械『ability』の破壊だ。 しかし世界に広がった『ability』を全て破壊するのは不可能に近い。 それでも彼等は破壊する。 今の世界を変える、いや元に戻す策を実現するために。 それは、『Mother Computer』の破壊だ。 今、世界に広がる能力売買機械『ability』は全世界の全てが『Mother Computer』に繋がり能力の情報はそれに保持され、『ability』の機能を全て賄っている。 それを破壊すれば全世界の『ability』は機能停止し、彼等の能力売買廃止の望みは叶えられるのだ。 ならば、『ability』を破壊せず『Mother Computer』を一気に叩けばいい。そう思うかもしれない。 しかしそれを奴らが、『ability square』が黙って見ている筈がない。 それどころか、この国はレジスタンスの味方になどならない。 どんな事があっても。 『ability square』は医療の機械化を成し遂げた企業だ。 そしてその技術全てを無償で国に預けたのだ。 簡単な話、『ANIMAL』が『Mother Computer』を破壊し、『ability square』に大損害を与える事を国は許さない。 『ability square』が損害を受ければ、無償提供した医療機械を国から取り返し、損害を埋めるため高額の診察料を取るようになる。 国は元々医療機械の所有権が『ability square』にあるためそれを止められない。 それ以外にも国がどうしても『ANIMAL』を止めたい理由があるが、それはまたややこしい話だ。 話は戻るが、『ANIMAL』が『Mother Computer』を破壊出来ない理由で一番の欠点が所在を知らない事だ。 そのため『ANIMAL』は『Mother Computer』の所在を知るため、手掛かりを求めて『ability』を破壊し、その都度情報を探している。
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