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だが、どうにも上手くいかず未だ『Mother Computer』の所在は掴めないままである。
志凪が酒場に入り暫くすると、酒を飲み騒ぐ奴らの1人が彼に気づき声を掛ける。
「よぉスネーク!どんだけ遅刻してんだ?」
スネーク‥‥それは志凪のレジスタンス内のコードネームだ。
「雨が降っていたから‥‥‥。」
「お前はどっかの王様かよ!」
「違う。」
「いや、知ってるし!ジョークも通じないのかよスネーク君わ!」
「ラット。‥‥何か用なのか?」
志凪‥‥いや、スネークはやたらと口数が少ないらしい。
寡黙というか無口というか。
「あっ!そうだったそうだった。オッサン忘れてたよ!ウルフがすぐに来いだってさ。ヒョぇぇ~スネーク遅刻なんかするから殺されちゃうよ!オッサンスネーク君の事忘れないから!」
スネークと違い、このラットと呼ばれた自称オッサンは口数がやたらと多いらしい。
ラットと言うのが自称オッサンのコードネームだ。
オッサンと言っているが、そこまで老けて見えない。
せいぜい30半ばぐらいだろう。
「わかった‥‥。」
そう言ってスネークは深く被ったフードを取る。
その顔は若干だが少年にも見える。20代である事は確かだろう。
スネークはカウンターに向かい、その中に入る。
カウンターの内側には小さな床下収納のような金属製の床蓋があった。
それを開くと、地下へ続く梯子が現れる。
これが酒場の裏の顔とゆう訳だ。
「スネーク!待ってたぜ!」
『ANIMAL』アジト。
その入ってすぐの広間のような場所。
そこに降りるとスネークを呼ぶ野太い声が聞こえた。
周りを見るが誰も居ない。
暫くすると奥の扉から同じ声がした。
「スネーク!こっちだ早く来い!」
ウルフは姿を見てもいないのに、人が来たことがわかり、しかも来たのがスネークだと判断したのだ。
いつもながら鼻が良く効く。
その扉に歩み寄り中へと入る。
そこにはガッシリとした体に迫力のある髭顔の馬鹿でかい男が今にも潰れそうな椅子に座っていた。
この男がレジスタンス『ANIMAL』のリーダーウルフだ。
そしてその傍らに小柄の少年がいた。
こいつは初めて見る顔だ。新入りだろうか。
「遅れた。‥‥悪かった。」
軽く謝罪を述べる。
「んなぁこたいい!それより新入りだぁ!」
そう言ってウルフは、傍らにいた少年の背中を押す。
少年はウルフの馬鹿力によろめきながら前に出て小さく頭を下げる。
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