気になる兎

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勇介はズルズルと何処からか座布団を引っ張り出して俺が寝ているベッドの横にちょこんと座った。 「さて…。俺の名前は河木勇介19歳!身長160ジャスト!体重は秘密!スリーサイズはご想像におまかせします!んで和哉とは産まれたときからの幼なじみ兼親友だ!家が隣同士で親同士も仲がいい。ちなみに産まれた病院から幼小中高大まで一緒の熟年夫婦と言っても過言ではない!!!」 「おい。誰に説明してる?ついでに過言だ。誰が熟年夫婦だ。その使い物にならない脳を体ごと燃やされたいか?」 俺が布団から顔だけ出し睨みつけるとニッコリと微笑んだ。 「火葬は後100年待ってください!!100年経ったら喜んで炎の渦に飛び込みますから!!ってんなことより!!!誰に説明ってこの小説を読んでくださっている読者様に決まっているじゃないか!和哉のことだから俺のことなんてさっぱり説明してくれないことはわかってるからね!自己紹介です!はい!」 言いたいことを全て言って満足したのか満面の笑みで輝いていやがる。 「なら自己紹介も終わっただろ。とっとと帰れ。」 寝る気が失せてきて身体をゆっくり起こし冷蔵庫に向かう。 そんな俺の後をとことことついてくるこのチビは…。 「黙ってたら可愛いのになぁ…。」 「ん?なんか言った?」 「いや…」 上目遣いで見上げてくる勇介の頭にリンゴの缶ジュースを乗せ、俺は缶コーヒーを持ってベッドに戻った。 ベッドにドシッと座るとその隣にちょこんと座る勇介を見下ろした。 「んで?話ってなんだ。」 「あっうん!うちの大学で今日のお昼からオープンキャンバスをやるんだってさ!ちょっと見に行かない?」 「だりぃ。あんなの部活動やってなかったら特にすることねぇだろ。」 ジュースを飲んでた勇介はポカンと口を開けて俺を見上げた。 「何言っちゃってんの!!来年うちを受ける女子高生達がいっぱい!!ナンパしまくり!!彼女ゲットだぜ!!!やることいっぱいだよ!!!」 拳を握りしめ力説するチビ…ナンパされるの間違いじゃないか?主に男に。
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