気になる兎

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祐生が興味深々といった感じに聞いてきた。 うーん…ナンパされてたのを助けたってかっこよく言いたいがあんな時間に歩いてたってあんまり知られたくないだろうなぁ…。 木崎さんを横目で見ると案の定少し困った顔をしている。 「あぁ…まぁちょっとな。顔見知りってだけだ。祐生が期待してるような事はねぇから。」 「あっそうなの?」 祐生がなーんやとつまんなそうにテーブルの上のお菓子に手を伸ばした。 「あ…あの…ありがとうございます。」 コソッと木崎さんが近寄って来て呟いた。 「別にいいよ。大したことしてないし。」 俺がニコリと微笑むと木崎さんもニコッと微笑みはいと言って祐生の所へ行った。 「そんな膨れるなよ母さん…。」 台所を見ると頬を膨らませたままお茶を用意する母さんの姿があった。 「別に膨れてませんよー。ぜーんぜん和哉が気づいてくれなくて蚊帳の外でもママは立派な大人ですもーん。そんな子供染みたことしないもーん。」 50半ばの立派な大人は語尾にもーんとか言いません。 「ごめんて母さん。蚊帳の外なんかじゃないから。ほら一緒に菓子食おう?」 俺がソファーに座りながら菓子に手を伸ばすと嬉しそうな顔をしながらお茶を運んできた。 自慢じゃないがうちの母さんは美人で何より見た目が若い。まぁ内面もある意味かなり若いがへたしたら三十代前半に見える。 身長も低く150ないんじゃないだろうか? だからかついつい小動物を扱うみたいになってしまう。
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