哀しき恋の歌

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俺はブランコに座りながら身体を後ろに反らし視界から滑り台を避けた。そして何気なくその女の子を見つめた。すると朧月に照らされたその頬には透明な滴が流れた。 「……っ」 息を飲んだ。 声を押し殺す様子もなく苦痛に顔を歪めもしない。ただ涙を流すだけの表情があまりにも儚くて切な気ででもどこか美しい…。 俺は時間なんか忘れてその涙に目が反らせなかった .
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