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毎朝京子の靴箱に届けられるラブレター達は、一応家には持って帰るものの、全て京子が目を通す前に燃えるゴミの日に母親に出される運命だった――――
「うわっ可哀想∑( ̄口 ̄)」
同情の意味を込めてユウが言う
「だってあたしの何を知ってるん?
名前見たってあたしは知らん人ばっかり
――要はしゃべった記憶がない人やん。
あたしの何を知って好きとか言えるかわからん」
呆れがちに言う
「確かにそうやなぁ」
「外見に惚れて中身は知らんのに好きってウソくさい」
「あっはっは京チャンゆうね~☆」
それが京子の憂鬱の種だった―――
中身を知らない名前も知らない人から出される手紙
自分のこの毒吐きな性格を知ってもまだ好きとか言えるだろうか――――
「なあ京チャン、うちのクラス文化祭のネタ考えななぁ~」
季節は文化祭前シーズン
まだ京子のクラスの出し物が決まっていなかった
「あたし凄い案浮かんでん♪」
ニヤッと笑う京子には案があったのだ―――
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