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…………。
……。
…。
なんとかセイバーの怒りを鎮め、居間には再び沈黙が降りていた。
ちなみに、俺とイリヤスフィールの間には、完全武装化したセイバーが苛立たしげに座っている。
まぁ、それはいいか。
色「ごほんっ!え~と…どこまで話したんだっけ?」
イリヤ「冬木の聖杯戦争だけにサーヴァントが召喚されるってところまで」
そうだったそうだった。
なんて納得して、イリヤスフィールに話の続きを促した。
イリヤ「前回までの聖杯戦争に召喚されるサーヴァントは召喚者と英霊に物質的な縁がなければ呼び出せなかったの」
色「物質的な繋がりって……例えば?」
イリヤ「そこにいるセイバーを呼び出したのはシロウなんだけど……彼が持ってた縁は聖剣の鞘」
凛「つまり、英霊が生前持っていた何かを、召喚者が所有してなければならなかった…ってこと」
色「ふむふむ。その口振りからすれば、今回の聖杯戦争ではその縁が必要ないってことか?」
イリヤ「正解♪」
再び嬉しそうな表情を見せ、イリヤスフィールは俺を見た。
なんというか、視線を外せない。
ともすれば、精巧に作られた人形にすら見える少女が笑うというのはここまで心を揺さぶられると…今思い知った。
イリヤ「ただし、その代わりに精神的な繋がりが必要になったけどね」
色「魂が同色とか、そんなのか?」
イリヤ「シキは凄いね♪その通りだよ。でも、同色の魂を持つ人間なんかこの世には存在しない。つまり…」
セイバー「まさか……異世界から呼び出すとでも言うのですか?」
イリヤ「正確には平行世界ね。あらゆる世界の可能性の中から、召喚者と魂が同色の英霊を呼び出すんだよ」
そう言って、イリヤスフィールは突然指を鳴らした。
瞬間……今まで誰もいなかった空間には。
スバル「…………………」
険しい表情を浮かべる1人の少女が現れていた。
その少女は、例えるならば蒼だ。
どこまでも透き通った空をイメージさせる蒼き少女。
イリヤ「紹介するね。彼女はバーサーカー……私のサーヴァントだよ」
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