第二章~召喚~

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一体何度気絶させられただろうか? もう分からなくなったが、それでも打ち合いを終わらせる気はなかった。 ……だってこんなに楽しい。 一撃入れられる毎に視界が明滅するが、構わない。 手足の痺れで運動性能が低下するのは困りものだが、それでも止まることなく踏み込み続けた…! 色「おぉぉッ!」 放つ。 振り落とし、返す刃でセイバーの側頭部目掛けて、一切の加減もなしに……文字通り全力を込めて撃ち込んでいく。 何も考えず、ただ無我夢中で。 疲労困憊の今、立ち止まれば心も体も止まる。 対峙するセイバーも少し疲れが現れたのか、動きに先ほどまでのキレはなかった。 ――だが、それすらも頭にはない。 あるのは、ただ…。 色「は、はは……はぁ、はぁ、はははは…!」 ついていけてる、という喜びだけ。 あのセイバーと俺はこうしてマトモに打ち合えている。 体のギアをハイに叩き込み、魔術回路という名のアクセルを踏み砕く…! 勝てなくてもいい。 体の関節という関節が悲鳴を上げているが、その悉くを力任せに抑えこんだ。 色「ふっ…!」 刺突、右薙、斬り上げ、斬り落とし…。 あらゆる角度からセイバー目掛けて全力で撃ち込んでいく。 セイバー「くっ!」 だが、やはり、その程度でセイバーの守りは崩せない。 例えるならば、彼女は城壁だ。 小手先の剣術だけでは、いくら攻めたところで破砕は不可能。 ならばどうする? 簡単な事だ。魔術を使えばいい。 俺は魔術師なのだから、その方が理に叶っている。 500の魔術回路にありったけの魔力を込めて、踏み込む…! だが、それに答えるかのようにセイバーは………音もなく聖剣を握った。 士郎「色ッ!」 祖父さんが叫び、俺に向かって何かを投げた。 それは、祖父さんの投影した、覇者の剣と称される絶世の名剣(デュランダル)…。 士郎「どっちも熱くなりすぎるなよ!」 何の躊躇いもなく、その柄を握る。 対する、セイバーは…。 セイバー「来なさい。その体力ではあと10分と保たないでしょう」 静かに限界寸前の俺を迎え入れた。
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