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色「っ!?」
俺の足元に何かが、着弾し爆ぜる。
おそらく、もう一歩踏み出していたなら俺も撃ち抜かれていただろう…。
いや、そんなことはどうでもいい。
アーチャーとセイバーの二人を探し、無意味に広い庭を見渡す。
――いた。
エクスカリバーに風を纏わせ、不可視の剣にしているセイバーと…。
一定の距離を取ったまま、機械的な長杖で射撃戦を敢行しているアーチャー。
先程までの疲れが原因か、セイバーも一気に踏み込みきれないようだった。
いや、そんなことも判断出来てなかったかもしれない。
サーヴァント同士の戦い。
それがどういう物なのか、ここに来て初めて目にしたのだ。
スピードが違う。
パワーが違う。
賭ける物が違う。
気迫が違う。
見る者全てを魅了しそうなほどに絢爛な戦い…。
かつて、世界から英雄と呼ばれた者達は皆、これほどまでに苛烈な戦闘を繰り返していたのか…と思考が白熱する。
セイバー「ハァァァァッ!!!」
疾風怒濤…。
まるで一陣の風のように、セイバーがアーチャーへと踏み込んで行く。
だが、アーチャーも白兵戦に持ち込まれれば負けると分かっているためか、近付けまいと弾幕を張り続け、セイバーの接近を許さない。
ならば負ける。
既にアーチャーは引き撃ちに専念し始めたのだ。
全力での勝負だったのなら、セイバーも接近出来ていたかもしれないが、これは2度目の戦闘…。
そのセイバーの消耗が…。
セイバー「くっ…!」
なのは「貰った…」
取り返せぬハンデとなって彼女を襲う…!
なのは「ディバイン…!」
―――【全テ穿ツ…】
長杖に籠められる魔力は猛り狂うかのよう。
……その穂先が、セイバーに狙いを定める。
それはつまり、セイバーが……死ぬと……いうことだ。
色「駄目だ……」
だけど、この体ではどう足掻いたとしても届かない。
……セイバーの楯にすらなれないのだと、思い知らされる。
そしてついに……アーチャーの宝具が。
なのは「バスタァァァッ!!」
―――【魔王ノ砲撃――!】
真名を以て展開された…!
放たれたのは、桜色の極大レーザー砲だった。
それは、確実にセイバーの体を貫いて…。
士郎「――I am the bone of my sword.」
――【――体 は 剣 で 出 来 て い る】
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