第一章~聖杯戦争~

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……そして、朝食時。 セイバーは食べる。 そりゃもう静かに、でもさり気なく…既に彼女は白米3杯目も平らげようとしていた。 あの小柄で、細い体のどこに、あれだけの食物を取り込んでいるんだろーか? まぁ、幸せそうだから良しとしようか…。 そういえば…。 今のうちにセイバーについて説明しておこう。 変わった名前のこの女性。 どうやら祖父さんと祖母さんの知り合いらしい。 らしい、というのも…詳しい話は祖父さん達が教えてくれないからなのだが…。 俺がこの家に引き取られた時から、外見が変わってないところを見ると、多分人間じゃあないんだろう。 もちろん、だからと言って彼女が俺にとって家族であることに変わりはない。 母のような…姉のような、俺から見たセイバーはそんな人だった。 セイバー「シキ」 色「ん?」 皆の食事も終わり、満足したのか、箸を置いたセイバー。 だが、何を思ったか、彼女は真顔で一言。 セイバー「私との鍛錬は今週末で終わりにしましょう」 色「は?」 何を言ってんだ、この人は。 なんだって急にそんなことを言い出すのか……わからない。 色「いや、だってまだ俺は…」 セイバー「むろん、貴方が魔術師(メイガス)として生きていくなら別です。ですが、貴方は違うのではないですか?」 色「なんでさ?」 問いに答える代わりに、彼女が見せたのは一枚のA4サイズの紙だった。 そこに書かれていたのは、進路希望調査書……先週の金曜日に学校で配布された物だ。 そう、今春から三年となった俺には、今は進路をハッキリと決めなければならない時期でもある。 セイバー「第一志望は進学…とありますね。何か目指す物があるからでしょう?」 色「……それは…」 そう、俺には目指す物がある。 祖父さんのように抽象的な夢じゃなくて、もっと具体的な夢が…。 そして、それを目指す為には今最も勉学に勤しまなければならない、というのも気付いていた。 だけど、俺は…。 セイバー「学生の本分は勉強です。…いいですね、シキ」 それだけ言うと、セイバーは居間から出て行ってしまう。 結局、俺は言い返せずに、学校に向かう準備を始めたのだった。
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