第一章~聖杯戦争~

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……さて、どうやら間桐の言ってた事は本当だったらしい。 転入生が来る。 しかも美少女の…。 うん、教師に連れられて教室に入ってきた女子は確かに美少女だった。 けれども、外人さんというのは如何なものだろうか? 雪のように美しい銀の髪に赤い瞳。 肌なんかも陶器のように綺麗だ。 ……例えるならば人形、だろうか? 精巧に作られた人形のような、ある種の芸術美を彼女はまとっていたのだ。 担任「転入生のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンさんだ。日本にはまだ慣れていないらしいから、よろしくしてやってくれ」 教師の紹介に続き、イリヤスフィールと呼ばれた女子は一礼して…。 イリヤ「ドイツからやって来たイリヤスフィール・フォン・アインツベルンです。長い名前なので、イリヤって呼んで下さいね」 瞬間、クラス内から湧き上がる歓喜の声。 なるほど。 たしかに、男子が狂喜乱舞するのも分かる。 しかし、俺は一つだけ気になっていた。 ――イリヤスフィール・フォン・アインツベルン…。 その名前は、どこかで聞いたことがあるような気がした。 もっとも、それをどこで聞いたのかは思い出せないのだが…。 担任「じゃあ、席は衛宮の隣に作っておいたから、そこに座りなさい」 イリヤ「エミ、ヤ…?」 色「はい?」 と…。 どうやら考え込んでいる間にジェットコースターばりの急展開になっていたらしい。 あぁ、置き間違いじゃなかったんだな…この余分な机。 なんてくだらない事を考えている間に…。 イリヤ「貴方、エミヤっていうの?」 彼女は隣の席に座っていた。 色「ああ。衛宮 色だ」 イリヤ「エミヤシキ?」 色「違う違う。それじゃあ笑み屋敷になっちまうだろ……呼びにくいなら色でいい。そっちが名前だから」 イリヤ「そう……これも因果かしらね」 色「ん?」 イリヤ「何でもないわ。よろしくね、シキ」 彼女が何か言ったようだが、聞き取れなかった。 まぁ、気にするまでもない。 とりあえず、俺は当たり障りなく『ああ』と答えたのだった。 それにしても…。 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン……どこでその名を聞いたんだっけなぁ?
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