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それは、色ですら聞いていない祖父母の過去だった。
およそ60年前、この冬木市で開幕した第5次聖杯戦争。
彼らはそのマスターとサーヴァントであった。
魔術師、衛宮 士郎。
魔術師、遠坂 凛。
そして2人のサーヴァント、剣の英霊セイバー。
彼らは過酷な聖杯戦争を生き抜き、闇に染まった聖杯を破壊している…。
それ故に、再び冬木で聖杯戦争が起きたことも信じられなかったのだ。
そもそも、聖杯戦争とは、魔術師であるマスターと、基本的に聖杯戦争中のみ使役可能な使い魔……サーヴァントの二人一組で勝ち抜いていく儀式。
サーヴァントとは、死ぬ間際に世界と契約し、無色の力となった英雄(英霊)の魂を、役割という器に流し込むことで現世に降霊させるシステムなのだが…。
そこで呼び出される役割(サーヴァント)は7つ。
剣の英霊たる《セイバー》
槍の英霊たる《ランサー》
弓兵の英霊たる《アーチャー》
騎乗兵の英霊たる《ライダー》
魔術師の英霊たる《キャスター》
凶戦士の英霊たる《バーサーカー》
暗殺者の英霊たる《アサシン》
皆、過去に偉業を成し遂げた英雄であった。
この場で煎餅をかじるセイバーもまた然り。
誰もが知るイングランドの英雄。
聖剣エクスカリバーの担い手、アーサー王その人である。
もっとも、この小柄な少女がアーサー王だと信じられる人間などいないだろうが…。
――再び幕を上げた聖杯戦争。
果たしてどのような結末に向かっていくのだろうか…。
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