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桜の蕾もまだ固い北海道の4月は、新しい日々の始まりでもあり、私の生まれた季節でもあったりする。
高校2年生、17歳になったばかりの私は毎日腐っていた。
理由を上げればきりがないけど、しいて言うなら流されてる自分に疲れたから。
一年続いた彼氏と別れてから、親友とくっついた事もあってドロドロしてみたり。
ヤケクソで付き合った彼氏と、なぜかズルズル二ヶ月も続いていたり。
バイトを店長の好みのJKが入った事でクビになったり。
ウザい。
ホントウザい。
ウザすぎる。
もう毎日が嫌過ぎて楽しい事もなくて、フラれついでに開けた両耳のピアスの穴が、冷たい風で疼くせいで余計にイラつく。
ただ過ぎ行く日々を流れ漂いながら過ごすだけの自分が、さらにイラつかせるのに気付いているのに、好きでもない男とさえ別れられないでいる。
そんな自分自身に対してさらに苛立ち、毎日足踏みするように代わり映えしない時間だけが過ぎてた。
大切なものがわからなくて、ただ足を動かし続けていても、時計の針だけは確実に時間(とき)を刻んで行く…。
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