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「愛しているわ……強く生きていくのよ。私は精霊となって貴方を見守って行くからね」
母親がそう呟く頃には、子供の体はもう頭を残すだけとなっていた。
母親は何度も、何度も、優しく子供の頭を撫でつづけ、愛しているわと呟き、優しくキスをする。
子供の姿は完全に消えていく。
少しの間、顔を涙でくしゃくしゃにしながら、消えた場所を見つめていたが、意を決したように片手で涙を拭き、来た道を走って戻って行った。
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