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   俺はようやく、自分の身体に異変が起きていることに気付いた。  朝起きて髪を触ると、サラサラの黒髪の頭に、耳が生えていた。  その前触れは、今思うと確かにあった。日に日に、睡眠時間が足らなくなっていくことだ。  直ぐさま俺は、洗面所に行き鏡を見た。そこには、ヒゲを数本、顔に生やしている猫人間がいた。 「なっ……なんじゃこりゃーーっ!」        ◇ 「にゃー」  ああ、とうとう俺は猫の言葉しか喋れなくなった……ん? 「にゃーにゃー」 「クロ……お前なぁ」  目を醒ました俺の腹の上に、飼い猫のクロがいた。  抱き抱えて、クロに話し掛ける。 「夢オチで助かったよ」  クロは真っ直ぐ俺を見つめ、口を開く。 「にゃー」 .
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