第1話 開戦

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今日もいつもと何も変わりなく、ただただ平和な1日が過ぎようとしていた。 いつもと同じように賑やかな市場。 そこを駆け回る子供たち。 時折聞こえてくる鉱山からの掘削音。 谷の中心部を流れる川もいつもと同じく、綺麗に澄んでいた。 ラグアも、いつもと同じように市場の人と話したり、駆け回る子供たちと遊びながら巡回を続ける。 何も変わることはない、いつまでも。 世代交代が行われても、全く変わらないはずだった。 その日、何故かいつもより空を飛んでいる鳥が少なく、ラグアだけでなく町中の人々が心配していた。 生まれてから毎日見かけていた鳥がいなくなると不安になるのは当たり前だ。 誰もが抱えていたその不安。 それが最悪の形で現れるのだった。  
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