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「……俺だけど」
『あぁ、和也か。どうしたお前、さてはもうお父様に会いたく……「急だけど今からそっち行っていい?」
電話越しでさえ冗談を言う父親の言葉を遮った。
そんな俺の声色がどこかいつもと違うのを感じ取ったのか、少しの沈黙が流れた。そして
『……どうした?』
なんて探るような声が携帯電話の向こうから聞こえた。
「母さんに言いたいことがある」
そう伝えれば、この前来た時に話せばよかったのに。と失笑していた。けれどそこは俺の父親。
一発OKで、明日が学校なのに休んでくるのか、とは言わなかった。
「じゃあ、今から行く」
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