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早めの夕食を終え、姉はバイトの支度を始める。
姉は夜、バーでバーテンダーとして働いている。そこそこ腕も評判もいい。美人だから、キャバクラやスナックの勧誘がよくあるらしいが。
「ねぇ、ありす。」
「なぁに?」
「さっき思い出したんだけど、ありすの友達に高山空って名前の子居なかった?」
「え?…知らないよ、初めて見る人だったし。」
「そう…?いや、居たわ。ありすが小学校に上がる前…」
━ドキン━
「え?本当?」
「空って子の話をありすから聞いたことあるもん」
━ドキン━
「わかんない。」
「昔も桜雪に住んでたんだよ?覚えてない?」
━…ズキン…━
頭が痛い。
「ありす、空大好き♥とか言ってたじゃん。仲良しだったみたいだよ。本人だったらなんか少女漫画みたいじゃない?素敵!再会した二人は恋に落ちて…♥」
「知らないってば!!!…っ」
怒鳴ってしまった。
私は自分に驚いて姉を見る。姉も驚いている。
「お姉ちゃん、ごめんなさい。なんか、頭痛くて…本当に、覚えてないの…。」
「ありすがそんな声出すなんてビックリ。ごめんね、煩かったね?新しい環境で疲れてんだね。早く寝な?あたし、もう行くね」
「行ってらっしゃい」
━ズキンズキン━
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