第一話

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早めの夕食を終え、姉はバイトの支度を始める。 姉は夜、バーでバーテンダーとして働いている。そこそこ腕も評判もいい。美人だから、キャバクラやスナックの勧誘がよくあるらしいが。 「ねぇ、ありす。」 「なぁに?」 「さっき思い出したんだけど、ありすの友達に高山空って名前の子居なかった?」 「え?…知らないよ、初めて見る人だったし。」 「そう…?いや、居たわ。ありすが小学校に上がる前…」 ━ドキン━ 「え?本当?」 「空って子の話をありすから聞いたことあるもん」 ━ドキン━ 「わかんない。」 「昔も桜雪に住んでたんだよ?覚えてない?」 ━…ズキン…━ 頭が痛い。 「ありす、空大好き♥とか言ってたじゃん。仲良しだったみたいだよ。本人だったらなんか少女漫画みたいじゃない?素敵!再会した二人は恋に落ちて…♥」 「知らないってば!!!…っ」 怒鳴ってしまった。 私は自分に驚いて姉を見る。姉も驚いている。 「お姉ちゃん、ごめんなさい。なんか、頭痛くて…本当に、覚えてないの…。」 「ありすがそんな声出すなんてビックリ。ごめんね、煩かったね?新しい環境で疲れてんだね。早く寝な?あたし、もう行くね」 「行ってらっしゃい」 ━ズキンズキン━
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