第一話

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母子家庭で働き詰めだった母が癌で倒れて、この町の大学病院に入院することになった。 私は姉と二人姉妹。 姉と二人、アパートを借りてこの町に越してきた。 今日は私の編入先の桜雪高校に姉と挨拶に来ている。 「前の学校では…人文科ということでしたので、この学校では人文科の3年3組に編入してもらいます。」 「はい。」 学校に着くと私達は真っ直ぐ応接室に通された。 高価そうな茶色の革のソファーが、黒くピカピカに輝く机を囲むように置いてある。 私と姉は並んで座り、向かい側には教頭と学年主任が座った。 簡単な挨拶と学科確認が済むと、教頭が “お姉さんと話が長くなるので校内を見て回ったらどうか?” というような提案をしてきた。 学費か母の病気について話すのか 私の素行や成績の話なのか… 兎に角私には聞かれたくないのだろう。 私は大人しく応接室を出た。
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