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校舎が静かなせいか、知らず知らずに私も息を殺して音を立てないように慎重に歩いていた。
心臓が激しく鼓動する。
ドキドキ…
ドキドキ…
━キンコンカンコン━
突然の鐘の音、無論チャイムだ。
私は小さく悲鳴をあげた。
突然の大きな音に心臓が破裂しそうになる。
あまりに驚いて慌てて目の前の3組の教室に駆け込む。
そして、
━ドンッ!!!━
刹那、何かにぶつかった。
「きゃー!!お化けー!!」
思わず目をぎゅっとつむり、目の前のものを突き飛ばす。
「うわッ!…いってぇ…」
「!?」
お化けではなかった。
私に突き飛ばされて尻餅をつく男子生徒。
私は目を奪われる。
茶色に染められた襟足の長い無造作な髪、耳にはピアス、長い睫毛、整った綺麗な顔。
制服のネクタイは緩く絞められシャツの胸元は開いている。
綺麗…それが彼の第一印象だった。
━ドキン…━
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