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私が応接室に戻って来ると、姉と教頭と学年主任は廊下に出て立ち話をしていた。
「あ、ありす!帰るわよ。」
「うん」
「それでは須藤さん、明日は遅刻しないように。登校したら真っ直ぐ職員室へ来て下さい。」
「はい、さようなら。」
私と姉は会釈して学校を出た。
校門を出たところで姉は大きな溜息をついた。
「はぁ~…疲れたぁぁぁ…」
「お姉ちゃん、保護者お疲れ様。」
「うん、まさか25歳で保護者として高校教師と面談するとはねぇ…全く想定外だわ。」
姉は煙草を取り出し火をつける。いつも以上に長く深く吸って煙りを一気に吐き出す。
「フー…―」
スーツ姿の姉は何処かの社長秘書のようだ。
タイトなスカートから伸びる長い脚はハイヒールがよく似合う。
モカ色の柔らかな髪はサイドで束ねられ、首筋が見えている。綺麗だ。
美人の姉は私の自慢だ。
「学生時代思い出してあたしが緊張しちゃったわ。」
「そうだよねぇwww」
姉はまた煙草をふかしている。
「あ、そうだ。さっき学校で学級会長に会ったの。」
「へぇーどんな人?」
「口悪くて、でも凄く綺麗な男の子で、背高くて…なんか私の名前知っててビックリした。」
「え!カッコイイんだ!?」
「ん~…。まぁ…。」
私は姉に高山空との出会いを話して聞かせた。
姉は始終笑っていた。
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