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「何で笑うのー?」
「だって、お化けー!って…あなたいくつ?」
姉はクスクス笑っている。
「うぅ…」
馬鹿にされているようで何だかムカつく。
「空君ねぇ…なんか引っ掛かるわねぇ…。」
姉は立てた人差し指を唇に当ててわざと考え深げに言った。
「何が?」
「だってぇ、あたしが男なら、ありすみたいな可愛い子にぶつかられるなんて儲けモンよ?
携帯のアド一つも聞かないでそんな悪態をついて帰るなんて考えらんない…。」
「えぇ…?」
「あたしなんて、ぶつかったお詫びにブランドのバッグもらったことあるわよ、男なんて美人には何でもしちゃうんだから♥」
(魔性の女!?性格悪っ!!)
「はぁ…。どうせ貢がせたんでしょ?」
「うふふ♥」
「…詐欺師!」
「騙される方が悪いのぉ♥」
姉は魔性の笑顔を浮かべている。この笑顔と演技に何人の男性が犠牲になったのだろうか?
「訴えられなきゃいいけど…。」
話しながら私達はアパートに帰って来た。
母が入院してから、私達は二人でこのアパートに住んでいる。家賃や生活費は母の貯金と姉のバイト代でなんとかしている。
私も月に何度か派遣のバイトをしている。
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