四日目<残り三日>

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テツヤ 「ほいっほいっ」 ジュン 「オッサン…元気だな…俺…ちょっと疲れたぜ…」 テツヤ 「若いのにだらしないわね~」 俺とリョウコのいた辺りの瓦礫を退かし始めて数分。 俺もだが、すっかり疲れ果てたジュンとは裏腹に、どんどん瓦礫を退かしていくオッサン… ちなみにリョウコにはこの労働をさせていない。 リョウコ 「ほら~!サトルもジュンももっと頑張って!」 ジュン 「つか、ホントにこんな所にあんのかよ?」 テツヤ 「オッサンに間違いはない!」 サトル 「どんな自身だ…っと、お?なんかあったぜ?」 俺が瓦礫を退けた所に錆びたチェーンが見えた。 テツヤ 「およ?」 ジュン 「チェーン? そこの瓦礫も退けてみようぜ」 サトル 「いくぞ…せーの!」 俺達は三人で大きな瓦礫を退けた。 ジュン 「うわ!土埃すご…」 サトル 「ごほっごほっ…何にも見えねぇ」 一気に大きな瓦礫を退けたせいで、上に乗ってた小さい砂利やら埃やらが一斉に舞ってしまった。 ある程度収まったみたいなので、再度確認を。 サトル 「っ!」 ジュン 「お…おい、これかよ…」 テツヤ 「…………」 そこにはなんとか人と認識できる物が埋もれていた。  ジュン 「お…オッサン…あんたが探してたって…この人か?」 サトル 「…………」 テツヤ 「いやいや、さっき言ったのは冗談だって!オッサンだって死体なんか好き好んで探したりしないわよ」 ジュン 「じゃあこの人誰だ?」 テツヤ 「さぁ?今となっては確かめようがないわなぁ…。とりあえず埋葬してやるか」 ジュン 「だな。手に持ってるのは…懐中時計…か?」 テツヤ 「これこれ。仏様と言え、あんまり他人の持ち物はいじらないいじらない。これも一緒に埋めてやろうや」 ジュン 「あ…あぁ」 サトル 「……………」 その後俺達は瓦礫の下にいた人をみんなで埋葬してあげた。 リョウコ 「う~寒」 テツヤ 「すっかり暗くなっちゃったねぇ…こりゃ宝物探しは打ちきりかね…」 ジュン 「んま、まだ日にちはあるから明日にでもまた探そうぜ」 テツヤ 「ん~…」 サトル 「まぁ明日の事は明日に決めればいいさ。な?オッサン」 テツヤ 「はは…サトル君には敵わないな。……ま、後は頼んだぜ…」 サトル 「……………」 オッサンは俺にしか聞こえない程度の呟きを最後に聞かせた… リョウコ 「寒い寒い~。早くご飯食べようよ~」
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