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サトル
「んーー…っふぅ。おはよ…」
ジュン
「おう、おはようさん。リョウコちゃんは?」
サトル
「まだ寝てんじゃね?」
ジュン
「あれ?一緒に寝てたんじゃないのかな~?」
サトル
「一緒には…寝てない…。それよりオッサンは?」
ジュン
「んー?…帰ったんじゃねぇの?」
サトル
「そっか…。ジュン、いつから気付いてた?」
ジュン
「初めて会った日」
サトル
「へ~意外だな」
ジュン
「意外もなにも気付くっての…まぁ本当は影がない事で気付いたんだが」
サトル
「…あの瓦礫の下にいたのって…」
ジュン
「あぁ、オッサンの探してた“者”に間違いないだろうな。あの懐中時計、こっそり見てみたら懐中時計じゃなくて写真が入るペンダントでさ…仲の良さそうな夫婦がしっかり写ってたよ」
サトル
「…………」
ジュン
「リョウコちゃんは?」
サトル
「いや…あの様子だと気付いてないだろうな…」
ジュン
「どうすんの?」
サトル
「教えるべきなのだろうか…」
ジュン
「“死人”と旅してましたなんて言っても、普通は信じられねぇがな…。んま、その辺は任せるわ」
サトル
「まったく…無責任だな…」
死人─
初めてオッサンと会った時に感じた違和感…
最後にオッサンが寄越した指輪はしっかり俺のポケットに入っている。
実はちゃんと生きてて、そのうちひょっこり出て来るなんてオチか?と思ってしまう…
サトル
「なぁジュン。幽霊って信じるか?」
ジュン
「いんや。俺は非科学的な事は信じねぇ」
サトル
「それ俺も同感。幽霊なんざ寝ぼけた人が見間違えた物だからな」
ジュン
「はは!そう言えばそうだったな!」
サトル
「…俺達寝ぼけたんだな」
ジュン
「ってより、単なるお前の夢って話しかもよ?早く起きないと母ちゃんに叱られっぞ」
サトル
「夢なら夢でちと悲しいかな。夢の中で初彼女とか、俺どんだけ欲求不満だって話したよ」
ジュン
「そりゃヤバイな。ははは!」
サトル
「笑い過ぎだ!」
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