六日目<残り一日>

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ジュン 「リョウコちゃん寝たのか?」 サトル 「あぁ、ずいぶんと参ってたみたいだな…」 リョウコが眠ってすぐ、奥からジュンが戻ってきた。 ジュン 「そっか…ちと無理させすぎたかもな」 サトル 「だな。ところでそっちの方は?」 ジュン 「ん?ん~まぁ…なんだ…」 サトル 「どうした?」 ジュン 「…いや、見付からなかった」 サトル 「……そうか。せっかくここまで来たのに、残念だな…」 ジュン 「そうでもないさ…奥で手紙を見つけたよ…ほれ」 『私はこの地球に残った全ての人類を救いたかった…だが1人のちっぽけな人間が救えるのなんて限りがある。両手に抱えきれないほど持った所で、溢れた物を落としてしまい、そこから次々と溢れ出てしまう…。ならば私のやるべき事はなんだ?この両手で抱えきれる物を大切にする事だ。そこで私は、この病院にいる未来有望な子供達を救いたいと思う。すまない…私にできるのはここまでだ…ここに残した者達…そして、この手紙を読んだ者…本当すまなかった…力のない私を許してくれとは言わない。だがどうかこの子達の幸せは祈っていてほしい。そして自我を保っていられているのなら、嘆き苦しみ死んではいけない。そして─────。以上で私はペンを置く』 ジュンが持ってきた手紙にはたしかにそう書かれていた。 サトル 「ん?この最後の部分…」 ジュン 「ぐちゃぐちゃに汚れてて読めねぇな。何か書かれていたんだろうが…」 この手紙を書いた人物は最後に何を書いたんだ? そしてなんだったんだ…? ジュン 「まぁそんなこんなで無駄足だったみたいだな。リサは無事出ていったみたいた」 サトル 「リサ?あぁ、妹の名前か」 ジュン 「そ。んで俺が残ったのも無駄でしたとさ。めでたしめでたし」 サトル 「ジュンが残ったのは無駄ではないさ…少なくとも俺やリョウコは助かった」 ジュン 「そうか?なら残った意味は少しはあったんだな」 サトル 「お前は生涯最高のダチだよ、まったく」 ジュン 「お!偶然。俺も同じ事考えてた」 こうして残り少ない時を、最高のダチと一緒に笑い合った…
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