六日目<残り一日>

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ジュン 「なぁ」 サトル 「ん?」 ジュン 「お前、リョウコちゃんと一緒に旅するって言ってたよな」 サトル 「あぁ…まぁそれも元気ならの話しだけどな…」 俺の横ではいまだ苦しそうにリョウコが眠っている ジュン 「行ってやろうぜ?」 サトル 「行くって…どこに」 ジュン 「行ける所まで」 サトル 「…………」 ジュン 「彼女の約束くらい守ったらどうだ?色男」 ジュンは俺の肩をバシッと叩いた サトル 「…当然お前も来るよな」 ジュン 「来るな、と言われたら行かないがな」 サトル 「…行くか!」 ジュン 「おう!…と、その前に」 サトル 「なんだ?」 ジュン 「こんなん見付けたんだよ」 そう言うと、ジュンは両手に収まるほどのカプセルを取り出した サトル 「カプセル?」 ジュン 「あぁ。飛びっきり丈夫なカプセルだ」 サトル 「そんなので何するんだ?」 ジュン 「昔子供の時、タイムカプセルってやらなかったか?」 サトル 「…なるほど」 ジュン 「理解が早くて助かります。そんじゃありったけの物入れますか!」 そのカプセルは並大抵の衝撃では壊れず、中に物が入れられる仕組みになっている 元々の使い道はわからないが…俺達の思い出がいつの日か宇宙[そら]で拾われる事を願い、物を積めていった。
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