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ピッピピッ、ピッピピッ……
ガシャン!
俺は寝ぼけながら、枕元に置いてあった目覚まし時計を叩くと、耳障りな音が消えた。
「さーて、もう一眠りするか……」
が、現実はそう甘くはない。俺の使ってる目覚まし時計は、電源をオフにしないと止まらないタイプなので、再び音が聞こえてくる。
「うう……起きるかぁ……」
仕方無く起き上がり、寝ぼけ眼をこすりながら布団を片付けて、下に降りる。
「おー祐次、今日は自分で起きたか」
厨房で料理の仕込みをしてた父さんが、一体手を止めてこちらを見てくる。
「ん……まぁ」
「お早う祐次。朝御飯は奥に置いてあるから、先に食べててね」
厨房より奥にある、我が黒神家の食卓から、鮭の良い匂いがしてきた。
そう、ウチは「黒神食堂」という小さな食堂をやってるのだ。
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