第一話 俺の日常

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 ピッピピッ、ピッピピッ……  ガシャン!  俺は寝ぼけながら、枕元に置いてあった目覚まし時計を叩くと、耳障りな音が消えた。  「さーて、もう一眠りするか……」  が、現実はそう甘くはない。俺の使ってる目覚まし時計は、電源をオフにしないと止まらないタイプなので、再び音が聞こえてくる。  「うう……起きるかぁ……」  仕方無く起き上がり、寝ぼけ眼をこすりながら布団を片付けて、下に降りる。  「おー祐次、今日は自分で起きたか」  厨房で料理の仕込みをしてた父さんが、一体手を止めてこちらを見てくる。  「ん……まぁ」  「お早う祐次。朝御飯は奥に置いてあるから、先に食べててね」  厨房より奥にある、我が黒神家の食卓から、鮭の良い匂いがしてきた。  そう、ウチは「黒神食堂」という小さな食堂をやってるのだ。
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