第一話 俺の日常

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 基本的に、我が家での朝食は和食だ。これは今まで生きて来た15年で変わった事がない。  ご飯を一杯おかわりして、ふりかけのごま塩を手に取った時だった。  「おっはよー祐次!」  食堂の、スライド式(木製)のドアが勢い良く開き、元気な声が聞こえる。  「近所迷惑だから静かにしろ優里!」  冷静に考えたら、俺のこの声の方が迷惑なのだが、玄関に突っ立ってる優里はそれに突っ込まずに、母さんに挨拶をした。  「祐次のお母さん、お早うございまーす」  「まぁ優里ちゃん、毎日こんな愚息の為に……」  愚息、だと……?  危うく箸を落としそうになった俺に構わず、優里は勝手にこの茶の間に入って来る。  「じゃあ、頂きまーす」  笑顔で手を合わせて、優里は俺の前で朝御飯を食べ始めた。  そう、俺の幼なじみである優里は、毎日俺の家で朝御飯を食べるのだ。
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