六日目

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六日目

今日は父のお通やがあった。武志は、明日お葬式をやったら学校の寮に帰るつもりだ。 そして、お通やは夜からなので武志は、病院に父の物を取りにいった。昨日病院から父が身に着けていた物をとりに来て欲しいと連絡があったのだ。 病院に着いた武志はナースステーションで父の物を受け取り家に帰ろうとした。 しかし突然武志の足が止まった。 武志はある人を見つめたままだった。そしてその人も武志を見つめたまま動かなかった。 武志は病院の屋上にいた。そこにはもう一人、そう、武志が小学生の時に好きだった彼女がいたのだ。 武志は、そこですべてをしった。なぜ彼女が早く帰りたかった。そして、彼女がこの町に来た理由も。彼女はガンだった。それもほとんど治るみこみのないものだった。だけどこの病院は最前線のガン治療がそろっている。だからこの町に戻ってきたのだ。そして、武志がマンガ喫茶で見た日、そして、マンガ喫茶で声をかけた日、駅で待ち合わせをした日、この三日間は彼女が特別に認められた外出の日だったのだ。そして父が死んだ昨日も外出を認められた日だったが突然の発作により外出が出来なくなったのだ。しかし今の彼女は元気だったから武志は安心した。そして彼女に父のことを話したら彼女は黙って武志の話を聞いていてくれたのだ。そして武志はまた明日も来ていいか聞いたら、彼女はすんなりOKをしてくれた。 そして武志は家に帰っていった。
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