誰が為に鐘は鳴る(後編)

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アゴを勢いよくハネあげられ、そのまま後方に倒れるだろうと思われたミスターだが・・・ 後ろに手をついて何とか持ちこたえた。 今度はタイラントが勝機!と見たのか、再び組み付いていこうとする。 だがそれを嫌がったミスターは、手をついた所を支点に転がるように距離を取り、離れた所で立ち上がった。 それを見たタイラントも組み付くのをあきらめ、溜め息をひとつ吐くとゆっくりと立ち上がる。 またしてもお互いに離れた場所で様子を伺うような雰囲気になったのだが・・・ ミスターの様子がおかしい・・・ ミスターは今のアッパーが明らかに効いたような症状に見えた。 構えてはいるのだが、全身に力が入っていない様子だ。 ミスター特有の脱力している構えではない。 明らかに全身に力が入っていない。 力を入れようとしているのに、入らないみたいな感じだろうか? 脳震盪を起こしてヒザがカクカクしてるまではいかないのだが、軽く効いてしまった感じだ。 タイラントも大きく息切れをしているが、ミスターも限界が近いのだろう。 だがムリもない・・・ 休憩を挟んだとはいっても、2人共連戦を重ねているのだから・・・
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