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「ねえ、僕と一緒に来ない?」
カーテンが秋風に揺れて、心地好い空気が部屋に注がれる。
もう夜だというのに電気一つ点いていないこの空間は、月光の存在のみを許すかの様に外から暗く遮断されていた。
「だ、誰…?」
窓枠に座っているのだろうか…
少しの明かりの中で少女が見たものは、シルクハットから長く飛び出る耳、肩の下辺りで切り揃えた黒髪、真っ黒の…スーツ、暗闇に光る赤い瞳…
見た目15歳程の、女の子だ。
しかし少女はどうしてか、全く見知らぬはずの彼女が怖くなかった。
そしてそのまま吸い込まれる様に、自分も窓枠に近付く。
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