第1番

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「フユちゃ~ん!おはよっ!」 「おはよう」 元気に挨拶してきたのは、わたしの大親友である鳩頭 夢夏(ハトガシラ ユメカ)。 今日からわたしたちは高校生になった。 小中と学校が一緒だったわたしたちは、高校も同じになった。 別に示し合わせたわけじゃなくて、本当の偶然。 たまたま学力が同じくらいで、行きたい高校の校風の好みも一緒だっただけ。 「ユメねっ、天文部入りたい!」 「夢夏、星好きだもんね」 歩きながらそんな話をする。 高校は歩いて10分くらいのところにあるから、あえて自転車は使わない。 「だから、フユちゃんも一緒にどうかなって」 「いいよ。別に入りたいとこないし」 「やったぁ!フユちゃん大好きー!」 夢夏は本当に嬉しそうにニコニコしている。 本当は面倒くさいかなって思ったけど、言わないでおこう。
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