現代の「白旗の少女」★

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現代の「白旗の少女」★

昨夜、テレビ東京 開局45周年記念ドラマスペシャル「白旗の少女」を観ました。 太平洋戦争末期、最大の激戦区となった沖縄本島南部で愛する家族たちとはぐれ、わずか7歳の少女(比嘉富子)が、戦死者で溢れる戦場をさまよい、孤独と恐怖に耐えながら盗み食いして命を繋げていく。 しかし、あるとき偶然めぐりあった体の不自由なおじい、おばあに助けられ、ひとときの安らぎを得ることに。 でも、その安らぎもつかの間、その後終戦を迎えた少女はおじいの考えで白旗を持ってアメリカ軍にひとり投降し、奇跡的に一命をとりとめるというストーリー。 現実の沖縄戦が生なましく描かれ、その中を少女が神仏に守られて生きていく姿が涙をそそります。 話は変わって戦後60数年。何もかも物質的に満たされた日本で年間3万人(ここ数年)の自殺者を出し、さらに格差社会にあえぐ現代日本人。 今の日本に「白旗の少女」はほんとにいなくなったのか?と疑問に思い、上記文をこう変えてみました。 平成20度末、リーマンショックで始まった世界同時不況はあらゆる業種に深刻な打撃を与え、大企業はもちろん特に中小零細企業は倒産、廃業などの憂き目に。 その影響で失業率は戦後最悪といわれ、収入の途絶えた家族はやがてバラバラに。 いつからか家族の絆が『愛情』ではなく『金』になり、いとも簡単に家族は崩壊する。 そして我欲にまみれた人たちは、一人孤独に耐え戦場(都市部、盛り場)をさまよい乾めんやジャンクフードを食べながら生きている。 あるものは病に冒され、その愚かさに気づく。そして家族のもとに帰り、ひとときの安らぎを得る。 でも、その安らぎもつかの間、その後も経済苦は容赦なく襲い、人々を精神的に追い詰めていく。 最後はひとり心に白旗をあげながらホームレス同様となって命を繋いでいる。 沖縄戦も含め、かの太平洋戦争で亡くなった幾百万の先人たちは今の日本をどう見るだろうか? 私には幾百万の現代人が心の中で『白旗』を上げてる気がしてならない。
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