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『おお、新入り。頑張っとるか?』
『まずはランキングをしてケガしにくい体に鍛えとけ。無理しすぎても元も子もないからな。』
『俺?俺は遊びに行かんのかって?アホゥ!そんな事してたら練習できないやんけ!』
快楽に溺れている先輩達の中で、この人だけが毎日練習に出ていた。
何より、楽しそうに野球をしている人だった―――。
「…胸くそが悪いです。いつまで1年生の教室に居るんですか?
明日香ならとっくに居なくなったし…用はすんだんじゃないですか?」
「………。」
外藤さんは黙って立ち上がると、ゆっくりと教室に出ていく。
廊下まで出たとき、ぴたりと止まった。
そして絞り出すように声を出す。
「…俺が見たところ、教室に残っている生徒が狙い目や。そいつらは暇してるやろ。
…頑張れよ。」
部員集めの事を言っているんだろうか。自分は気楽な帰宅部になったくせに、気安く頑張れだと?
「言われなくても、そのつもりです。」
最後の最後まで。
俺は外藤さんを罵った。
そして外藤さんは帰っていった。
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