1年 12月 下章

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◆◆◆ それから数日が過ぎた。 あの後誰もいなくなった教室で、手当たり次第に机などを蹴飛ばした。 何に対する怒りか分からない。とにかく暴れたかった。 後日、ホームルームでクラスの話に持ち上がったが、極亜久高校では日常茶飯事起こっている出来事。教師含むクラスメートはケガ人が出ていない事件だったということで、何事もなかったのかのように終わった。 元いた学校では退学処分並な事件だが、極亜久高校が荒れていて初めて救われた。 机に目をやる。 そこにはいつもの彼女が座っていた席。 明日香はあの日以来、学校には来ていない。 元々明日香は体が丈夫な方ではない。 俺が転校してきた初日だって、体調を崩して休んでいたのだ。 しかし今の明日香は体調などは崩していない。ただ家に…言い方は悪いが、引きこもっている。 ご飯は食べれる。 風呂だって入れる。 でも彼女は学校にいない。 誰もいない机を見ても、『どうしたのパワポケ君。私の顔に何かついてる?』なんて居ないはずの彼女が答えることもない。
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