1年 12月 下章

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―――ふと背中から衝撃が走る。クラスの誰かが俺の背中を叩いたらしい。 「おいっす~~。パワポケ、空なんか見てどした? 飯の時間だぜ~。」 え?もう? 周りはいそいそと購買部に買いに行ったり、弁当を持って教室内を移動したりしている。 「ったくー。しっかりしろよな。どうせ、明日香ちゃんの事でも気にしてんだろ~?」 「んがっ!?な、何がだよ…。」 お前は分かり易いからな~。とケラケラ笑う。 まったく、なんて的を得た発言をするんだ。 「それにしても、ここんとこのお前は元気がないな~。明日香ちゃんだけでなく、亀田もいねーからか?」 バレているらしい。嘘を答えても強がりだけ。俺は正直に答える。 「………うん。」 一瞬暗い顔をしたが、すぐに笑顔になっていつものテンションに戻る。 「…しゃーねぇ!クラス盛り上げ隊、俺こと安田の出番だな!」 「……………ハァ?」 「お前はクラスのムードメーカだからな。お前が暗くなるとみんなまで暗くなっちまう。」 みんなが…。 「そこでっ!俺がこのクラスを盛り上げる!もち、お前もテンション上げろよ! …お。見ろ、そこに丁度いいカモがいるぞ。」 ? 誰を指差してんだ…
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