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そんな中、見知った顔が一人。あれは…。
俺が誰か確認する前に、安田は走って向かった。
「ヒューー!水野、それは愛妻弁当か!?
冬だってのに、アツいねぇー!」
教室の入口、長身の男子と顔を赤らめている女子が。
「あーっ!うっせ!
黙れ!お前黙れ!」
先日お世話になった陸上部員の水野ではないか。そうか、このクラスだったのか。
つーか、デキてんのかアイツら。
「まあまあ水野よ。照れるこたぁねーよ。
今時、学生カップルなんてうん十人いる。
ひひっ…楽しい事とか、ヤらしい事とか、た~くさん経験したりな…。」
「「ぎゃははは!」」
クラスの男子共が笑い出す。
一方女子達はドン引き。
別の所へ移動しようと席を立つ。
「お、おま…。」
安田がやっているのは、水野の冷やかしだ。
しかも突っかかるのは恋愛系という、少しこっぱずかしいネタである。
コレ、言われてる方はたまったもんじゃないな。
クラスを盛り上げると言えど…こんな手段でよかったのか?
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