1年 12月 下章

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そんな中、見知った顔が一人。あれは…。 俺が誰か確認する前に、安田は走って向かった。 「ヒューー!水野、それは愛妻弁当か!? 冬だってのに、アツいねぇー!」 教室の入口、長身の男子と顔を赤らめている女子が。 「あーっ!うっせ! 黙れ!お前黙れ!」 先日お世話になった陸上部員の水野ではないか。そうか、このクラスだったのか。 つーか、デキてんのかアイツら。 「まあまあ水野よ。照れるこたぁねーよ。 今時、学生カップルなんてうん十人いる。 ひひっ…楽しい事とか、ヤらしい事とか、た~くさん経験したりな…。」 「「ぎゃははは!」」 クラスの男子共が笑い出す。 一方女子達はドン引き。 別の所へ移動しようと席を立つ。 「お、おま…。」 安田がやっているのは、水野の冷やかしだ。 しかも突っかかるのは恋愛系という、少しこっぱずかしいネタである。 コレ、言われてる方はたまったもんじゃないな。 クラスを盛り上げると言えど…こんな手段でよかったのか?
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