1年 9月

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(そして……) ボロビルのホールに、重い空気が包み込む。 痺れを切らしたのか、先輩が声を荒げて、外藤さんに怒声を浴びせる。 「外藤! お前が、ちゃんとやらないから負けたんじゃないか!」 「そ、そんな。 ちゃんと、弁当に下剤をたっぷり入れときましたがな。」 「うるさい!先輩に口答えするな!」 (ドカ!バキ!ボコ!) ぼ、暴力!? そうか、だから、こんなことでミーティングを… 「せ、先輩、止めて下さい!それに、下剤入り弁当って、どういう事何です?」 変わって顔中にアザができた外藤さんが答える。 「試合前に、相手チームの選手に食わせんねん。」 「えっ。」 「ほかにも、相手のピッチャーをケガさせといたり…。」 ふと、今日試合をした相手チーム、パワプル高校を思い出す。 選手たちは顔は青白く、生気が抜けていた。 「そ、それって…」 「うるさい! 我が校の伝統的な″作戦″なんだぞ。」 そんな事…そんなやり方があるか! 野球ってのは、スポーツっていうのは、お互い正々堂々と力を出し尽くしてやるものなんだ! それを妨害工作で勝とうとするなんて… 「まともに練習もしないで、そんなことをしてたんですか!」 先輩たちの視線がこちらに向く。新たの獲物を見つけたそれと似ていて、ゾクッとした。
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