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(そして……)
ボロビルのホールに、重い空気が包み込む。
痺れを切らしたのか、先輩が声を荒げて、外藤さんに怒声を浴びせる。
「外藤!
お前が、ちゃんとやらないから負けたんじゃないか!」
「そ、そんな。
ちゃんと、弁当に下剤をたっぷり入れときましたがな。」
「うるさい!先輩に口答えするな!」
(ドカ!バキ!ボコ!)
ぼ、暴力!?
そうか、だから、こんなことでミーティングを…
「せ、先輩、止めて下さい!それに、下剤入り弁当って、どういう事何です?」
変わって顔中にアザができた外藤さんが答える。
「試合前に、相手チームの選手に食わせんねん。」
「えっ。」
「ほかにも、相手のピッチャーをケガさせといたり…。」
ふと、今日試合をした相手チーム、パワプル高校を思い出す。
選手たちは顔は青白く、生気が抜けていた。
「そ、それって…」
「うるさい!
我が校の伝統的な″作戦″なんだぞ。」
そんな事…そんなやり方があるか!
野球ってのは、スポーツっていうのは、お互い正々堂々と力を出し尽くしてやるものなんだ!
それを妨害工作で勝とうとするなんて…
「まともに練習もしないで、そんなことをしてたんですか!」
先輩たちの視線がこちらに向く。新たの獲物を見つけたそれと似ていて、ゾクッとした。
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