1年 1月 上章

2/30
前へ
/180ページ
次へ
◆◆◆ その日はとても澄み渡った空で。訪れた冬の寒さを感じさせる空気が私を外にいる現実を教えてくれる。 人々は溢れかえり、いつまでも続く大蛇のような列をつくって並ぶ。 毎年必ずといってもいいような人混みっぷり。日本の美しき伝統は未だに健在だ。 並ぶ人は手に駄菓子しか買えないような小銭。お願い事を考えている人。はたまた今になって蕎麦をすする人。…最後のは関係ないか。 「あちゃー…思ったより人で混んでいるわね…。」 そう、今日は元日。 私明日香は初詣に来ている。
/180ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加