1年 1月 上章

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「何?極亜久高校? だったら、ほっときゃよかったな」 「え?」 俺を助けてくれたはずの彼は、憎悪と侮蔑の混じった視線で俺を睨め付ける。 「この間の試合、弁当に何か入れただろ。 あれを喰らって、先輩方は試合後もずっと悪くしたままだった。あの弁当は、効いたぜ。」 記憶をたどる。…ボロビル。下剤入り弁当。………パワフル高校。 あ…!秋期大会の対戦相手…! 確か、俺が初めて先輩の実力を目のあたりにした試合だった。外藤さんが事前にパワフル高校に忍びこみ、下剤入り弁当を食べさせたんだ。 「あ、あの時の… いや…あれは、その…」 「黙れこの卑怯者。 そこまでして試合に勝ちてぇのかよ。あんたらがやってるのは野球なんかじゃねえ。ただのクサレ外道だ」 「そ、それは…!」 そんな事ない…! 言葉に詰まっている時、松倉君の後ろからドスドス…と足音が聞こえる。
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