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そりゃ…勿論やるに決まってる。今までその気で学校生活を送ってきたんだ。
だけど…
本当に俺がやろうと事にしているのは、無駄じゃないんだよな…?
―――やれやれ。とんでもなくヘタレだなお前。
え…な、なんだ…
―――みんなを巻き込んどいて今更逃げ腰か?キャプテンが聞いて呆れるぜ。
どこからも聞こえるはずがないその声は、頭の中に響いて直接心に伝わる。
―――結局お前は自分に酔っているのさ。まともに活動していない野球部を見て、自分で再建させるって救世主ぶってるだけなんだよ。
…違う。
―――はあ?違わねえよ。本当は甲子園なんてどうでもいい。ただ野球部を復活させてのんびり楽しく活動するだけ。松倉って言ってったけか?大局的から見たらそいつの言う通りなんだよ。
…違う!
―――ケケケ。別に逃げたっていいんだぜぇ?それとも何か?もう逃げることさえ、
「…やるよ。絶対あの舞台に立ってやる。プロになりたい、いやなってやるんだ!」
…水原君は、そうかと返事をして視線をはずす。
「…それじゃ僕も君のことを信じる。だから…僕達の気持ちを無駄にしないで欲しい」
さっきまで聞こえていた囁きはもう聞こえなくなった。もう、大丈夫。俺は決心した。
この学校で、このメンバーで夢を実現させる。
そう決心した時、空の色が変わった。それは…今年を迎える合図。
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