1年 1月 上章

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「おっ、とうとうお天道様が出てきたみたいッスよ」 きたきたとばかりに霞む空を見上げる武田君。 「ほら、そこの寝坊助を起こしたらどうだい?」 溜め息混じりな声、だけどどこか優しげのある顔をする水原君。 「う~ん…眠ぃ…」 目をしょぼしょぼさせながら起きる平山君。 「むにゃむにゃ…うおお、ストライクガンダーロボの太陽光線並の眩しさでやんす…」 口から垂れたよだれを拭いながら声を漏らす亀田君。 そして、 「綺麗だね…来て良かったと思う、本当に」 ただその街並みをほんのり照らす太陽に魅了される俺。 「ふあ~…。…と言ってもただの朝日でやんす(バキ!)」 「ましなコメントを言え!新年から殴らせやがって!」 それじゃあ殴んなくても…と言葉を漏らす亀田君はほっといて…また空を見る。 ただ見る。 そして自分達を取り巻く大気に向かって大きな声で叫ぶ。 「…よーし!今年は世間に見せつけてやろうぜ! 今年の甲子園のヒーローは、俺ら極亜久高校だー!!」 「「「うおおおっ!!!」」」 そして始まる。 俺達の、世間を轟かす1年が。
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