1年 10月

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「放課後になったぞ。さあ、行こうか亀田君。」 「がってんでやんす!」 じゃ、まず端から行くことにするか。まずは…陸上部だ。 「あれ、誰も居ないぞ。」 「グラウンドに行ってみるでやんす。」 (そして…) 「…居ないな。」 「学校の外へ走りにいったんでやんすかねえ?」 「しょうがない。ほかをあたるか。 ここは空手部?」 「こ、ここは、止めておいた方がいいでやんす。」 「どうして?」 もう、入っちゃったんだけどなあ… 「空手部と野球部は、仲が悪かったでやんす。 それに、むら…」 「こら、そこの! 何の用じゃい。」 奥から、顔つきが悪そうな男が現れた。 しかし、ちゃらんぽらんに部活をしている者ではないらしく、きちんと柔道着を羽織っていた。 「あわわ…。すぐに帰りますでやんす。」 「君、空手部の人? かなり、強そうだけど。」 よく見れば、体はがっちりしており、胸元から見える筋肉は、相当の厚さがあった。 「わっはっは。 儂は、村上(むらかみ)っちゅうもんじゃ。 自慢する気はないが、1年の中で儂にかなう者はおらんのう。」 ビンゴ! 理想的な四番バッターを見つけた! さっそく俺は、野球部に誘ってみる。 「どうだい、野球部に来ないかい? 君のパワーならホームラン間違いなしだ!」 「ほほう? 野球部は、ビルが崩れて全滅と聞いとったが。」 挑発的な態度だ。やっぱり野球部がここに来るのが、気に食わないのだろう。 「1人もいなくなった訳じゃない。」 負けじと言い返す。 「それで部員集めか。 ご苦労な事じゃの。」 「返事はどうなんだい?」image=284789423.jpg
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