1年 10月

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「(フン、ちょっと痛い目に合わせてやるか。) …儂とケンカしてお前が勝ったら、野球部に入ってやってもいいぞ。」 あれ、意外に肯定的? 「ええ、本当に? …でも、ケンカはちょっと…」 「まあ、まともにやったら、儂が勝って当たり前じゃの。 では、殴るのはこちら、そっちは避けるだけ、というのはどうじゃ。 一分間、ダウンしなかったら、そっちの勝ちにしてやるがの。」 「あ、それならオーケー。」 日頃、自主トレで鍛えてるんだ。避けるだけなら…。 「パワポケ君、ダメでやんす!」 何なんだ? 亀田君が話に割って入ってくる。 そりゃあ顔は恐いけど、同級生が相手なんだ。 「仲間を増やすチャンスじゃないか。 一分だけ我慢すれば、いいんだ。」 「…村上君は、素手でコンクリートを砕けるでやんす。」 え? 「それじゃ、始めるか!」 「ええい、こうなったらヤケクソだ!」 「儂の拳は痛いぞ。 用意はいいか? …はじめ!」
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