1年 10月

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(ダッ!) うぉっ!いきなり来た! (シュッ!) 間一髪避けることが出来た。 しかし、今パンチ(突き)の音が聞こえたぞ。相当早い。一発でもくらったらお終いだ。 次は顔に向かって来た! 「うわぁ!」 「……!」 (シュッ!) くそ!コートが狭くて距離を詰められる! 一分…長すぎる…! 「(思ったより、反射神経がいいのう…。 仕方ない。アレも使うか…。)」 亀田君がハラハラしているのが目の端に見える。でも、俺だってただ避けているだけじゃない。 パンチの軌道、速度、タイミング、全てを、目に焼けつけている!! …よし!見えてきたぞ。そもそもパンチはリーチが短い。 来る瞬間までギリギリ引きつけて…! 素早くかわせばいい…! 持ちこたえてやる…! 「フゥー。………。」 (ダッ!) 来た。次は、右? 投球フォームと似たように、体をねじっている。左手が前に、右手は後ろに。 左手からの突きは不可。 大丈夫。よけられるっ! …何が起こったのか分からなかった。 いつの間にか床に伏してる自分。 顔がじんじんと熱い。 パンチは避けたはず。 なのに、どうして…? 「ふう。すっきりしたのう。 空手の練習につき合ってくれて、感謝するぞ。 わっはっはっは!」 「パワポケ君!生きてるんでやんすか?」 俺は、負けた、のか…? そこで、俺の意識は途絶えた。
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