1年 11月

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私だけが知っている秘密。そんな事を考えてると、何だか照れてきた。 「ん?どうした明日香? 寒いのか?」 鈍感なパワポケ君にも分かるくらいに、私の顔は赤かった。 くぅうう~…。 「外も冷えてきたし…。 そうだ。明日香、体温めてやるよ。」 え!? そ、そ、それってそれって!! ここ学校だし!…でも誰もいない…じゃなくて!駄目だって!…でも、パワポケ君なら… あわわわわ!! (ガタ!)←席から立ち上がる音 私は固く目を閉じる。 ああ…とうとう私も大人に… (バサッ) 「…………………………ふぇ?」 私の肩には彼の手ではなく、私の体に不相応な学ランがかけられている…。 「冬もまだ始まってないのに、風邪なんかひいたらたまらないからな。 …ん?なんだ、その目は。 大丈夫だって。臭くなんてないから。」 …私は何を考えていたんだろう。あはは…。 恥ずかしくなって顔を学ランに潜らせる。 「どうした?」と声が聞こえるけど、無視してやった。貴方の言い方の所為なんだから! 学ランから、彼の匂いがした。小学生の時から変わらない、いい匂い。
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