196人が本棚に入れています
本棚に追加
「失礼しました。」
（ガラガラ…。ピシャ。）
そんなまさか、嘘だ。
そうだ。こんな事がありえるはずが――。
（ガラガラ…。）
職員室から音楽室へ。
取りあえず落ち着くんだ。いつものようにピアノを弾いて…。
（ポロン、ポロン…ボロン。）
「くっ！！」
（ダンッ！）
くそ、腹いせにピアノを叩いたって仕方がないじゃないか。こんなんじゃ、ピアノさえまともに弾けないだろう。
そうだ、目を瞑って…。
さっきの紙を思い出す。
たまたまくだらない別件で職員室に入ってそのまま出ようとした時、沢田ようこ先生の席が目に止まった。
机の上には大量の解答プリント。「彼」のクラスの物だ。
先生は…居なかった。
ただなんとなく。
山積みのプリントの一枚を手に取った。
「彼」の解答プリント。
そこには――。
「…まさかね。誰にも勉強で負けた事なかったのにね。」
最初のコメントを投稿しよう！