1年 12月 上章

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「………これってあれか、あっちで練習しているってことか?」 「………そうみたいでやんすね。」 「………。」 俺は絶句する。 「………。」 亀田君も絶句する。 「うわあああ!! 俺らは、今まで、何をしてたんだーーっ!!」 叫ばずにはいられない。ちょくちょく陸上部を見に行ってみて必ずいなくて、明日また来てみる…の繰り返しを10月から今まで行ってきたのだ。 それが無駄骨だと知ってしまった以上、怒りを何にぶつけろというのか。 「嘆く場合じゃないでやんす! これを機にいい選手を手に入れてやるでやんす!」 「そうだな、ダッシュだ!走っていくぞ!」 「あ、危ないでやんすよ!」 踏んづけた地面はいい感じにぬかっており、ヅルっと嫌な音が――。 (ヅル!ドシャー!)
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