1年 12月 上章

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「あれ?野球部の人達ッスか?」 懐かしいッスねえ。と相づちをうち始めた。 あ…俺の格好が制服なもんだから、気が付かなかったのか。 俺ら2人は亀田君の不死身についてはツッコミはしないことにしておいた。 「俺、昔は野球をやってたッスよ。俺の投げるボールが速すぎて、誰も打てなかったッスね。」 「ええっ?それなら、話が早い! 野球部に入ってくれ!」 「だめッス。」 「え?」 「俺この学校にきた時に決めたッス。砲丸投げでメダルを獲るッス。 俺、武田(たけだ)は男ッス。 男が、一度決めたことは絶対に、曲げないッス。」 「…でも、先に野球をやってたんだろ? 男なら、最後まで野球で通すべきなんじゃないかな。」 「うっ!…い、痛い所を突いてくるッスね。 でも、俺は、自分より劣っている人の下につく気は無いッスよ。」 …やれやれ、この学校は血の気が多い人ばっかりだ。 「あんたが、俺に勝てたら、野球部に入部してもいいッス。」image=290258964.jpg
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